Derailleur Brew Works

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BEER

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けものみち IN THE WOODS

苦味とハイアルコールをほんのりとした甘さで包み込むテイスト。
京都のスパイスカレー店、森林食堂プロデュース。⠀
ストロングエール
原材料:麦芽/ホップ/レモン果汁
ABV:7.0  IBU:50 SRM:19

¥3,780 ~ ¥15,120

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“行き先のわからない乗り物に乗ってみないか”

3歳になる娘、サラを連れて、大阪・ニシナリから故郷のオレゴン州、
ポートランドに戻ってきたエミリー・スコット。5年ぶりの帰郷であった。
ニシナリでは、気のいい仲間たちといくつものビールを作り、
いくつもの小競り合いが酒盛りへと換わり、そして、いくつもの笑い声で夜が溢れた。
いくつかの、恋もした。
恋は甘い穏やかなテイストの姿をして現れて、
苦い思い出もいっぱい残してきたけど、刺激的な毎日であり、
異国の地を生きる上でのスパイスだった。
そう、今は思う。
まるでハイアルコールをフルーティな甘さで隠した、レディ・キラー・カクテルのようね。
エミリーは娘のサラに微笑みかけながら、そう呟いた。
この故郷(まち)に帰ってくるつもりはなかった。
サラの異変に気づいたのは、去年の彼女の2歳のバースデイ・パーティのときだった。
咳がとまらない。突発する痙攣。微熱が1ヶ月以上続いていた。
手足の力が抜け、左目の視力が極端に落ちてきた。
ドクターも原因不明だという。風邪薬の処方や点滴はするが
サラの状態はよくならない。
何人ものドクターの診断の結果は、日本では原因もわからず、
治療の施しようもない、というものだった。
このままだともって半年。残念ですが。
そう続けるドクターの言葉がエミリーの頭にはもう入ってこなかった。

出口の見えない絶望と不安。エミリーにとって、ドクターのその言葉、それは闇だった。
迷い込んだぬかるみの森、サラを連れて帰る道は、
泥に足を絡め取られ、まっすぐ歩けている気がしなかった。
空調は効いた部屋なのに、じとりじとり汗が止まらない。拭う気にもならない。
ただ、鼻をつくような匂いがした気がする。
涙が止まらなかった。サラを抱きながら、涙が止まらなかった。

1週間ほどたった頃、エミリーの自宅に一本の電話が掛かってきた。
わたしです。わかりますか。先日診断の結果を伝えた大学病院の若い医師だった。
ええ、覚えているわ。エミリーがやっとの思いで声を出す。
オレゴンに、“モグリの医者”がいる。医師免許は無いし、法外な報酬を要求するが腕は確かだ。
彼なら、サラちゃんを治すことができるかもしれない。僕の大学時代の友人だ。
電話口の向こうで、彼は一息ついたあと、力強くこう言った。
まるでエミリーの意思を確かめたいかのように。
『そんな、行き先のわからない乗り物に乗ってみないか』
エミリーは力強く、ええ、もちろんよ。と頷く。
僕の、医局の立場からでは、君にこれを伝えるのが精一杯なんです。すみません。
言うや否や、電話は切れた。
電話口に、ありがとう、そう呟き、エミリーは故郷へ帰る準備を始めた。

“モグリの医者”が要求したのは、成功報酬として治療費150万ドルだった。
あんたにそれが払えるのか?そう問いかける“モグリの医者”
払ってみせるわ。何年、何十年かかってでも。そう答えるエミリー。
迷うことはなかった。戻る先には見慣れた絶望のみち。進む先にはまだ見ぬ苦難のみち。
どちらもおなじ、未開のけものみちであるのなら、
彼女が選ぶのは、ただ、サラの未来へ続くみちだった。

エミリーは治療費を稼ぐために、
自転車レースの賞金稼ぎ『バウンティハンター』になることを決め、
3歳になったばかりの娘を、治療費が完済できるまで、
その“モグリの医者”に預けることにした。
はなればなれになることに、辛さはあっても迷いはなかった。

いつか、サラがいくつかの恋をする年齢になったときに、伝えられたら、それでいい。
恋はいつだって、甘い穏やかなテイストをして現れて、揺さぶるような酔わせ方と苦い思い出を残すもの。
でも、それが、日々を生きる上での、大事なスパイスなんだってことを。
あなたのパパも、ママも、そんな恋をして、あなたが生まれたんだってことを。
わたしが作った、レディ・キラーなビールを、あなたと一緒に飲みながら、
伝えられることができるのならば、それでいい。



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5種のモルトを贅沢に使用し、苦味とハイアルコールをほんのりとした甘さで包み込むテイストです。⠀

ホップはポラリスをベースとし、シチリアンゴールディグスとエキノックスを数度に分けて丁寧に投入使用。
酵母はベルギー系のものではなく、アメリカ系のものを使用し、独特の苦味とキレが生まれました。⠀
京都のスパイスカレー店、森林食堂プロデュース!