Derailleur Brew Works

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BEER

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リバーサイドホテル・ナンハイ

苦味控えめで度数も低いですが風味や香りはほんのりフルーティ。
お鍋によく合う冬のビールです。
セゾン
原材料:麦芽/あわ/きび/ホップ/アイリッシュモス
ABV:4.5 IBU:30 SRM:3

¥3,600 ~ ¥14,400

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ニューヰマミア駅に、南海電磁鐵道(ナンハイ・レイルウェイ)の本日最終の電磁蒸気列車が到着する。

ブレーキ用の逆噴射蒸気(バックスチーム)はまるでスモークのように足元を埋めて。
かき分けるように、女は-その長い黒髪を無造作にまとめ直し-プラットフォームに降り立った。
女、その名前、薬死丸狂子。髪をなでる冷たい風が、スモークも流していく。

だれも知らない夜明けが明けた時、エミリーがくれた天然忽布のあたたかい香りが、
この町には溢れていて。i-reen10-9(アイリーン特区)の方に、
ちらちらと輝く明かりが見えた。
若い二人なら、夢中になれるから、狭いシートに隠れて旅に出るのもいいでしょうけど。
かつての、私と、ホフピンスキのように。
狂子はいつまでも続く筈がない蜜月のような、その”かつて”を、思い出していた。

思い出は狂子の視界をぼやけさせて、夜をどこで過ごすかを考えなくちゃならなくなった。

昼間のうちに何度も忽布を咥えて、口移しのKissをして。
ベッドの中で魚になるの。
川に浮かんだAleのプールでひと泳ぎ
二人でほろ酔いね。

南港(サザンポート)の教会と礼拝堂の鐘の音が聞こえる。
ふと頭をあげた狂子、目の前にあるホテル、ネオンの字を読んだ。

ようこそ、リバーサイドホテル・ナンハイへ。
川沿いの、リバーサイドホテル・ナンハイへ。

人工合成された音声が、私に没入(ジャックイン)してそう語りかける。
正確には、ネオンの字を読み上げるだけだ。

食事も、リバーサイドホテル・ナンハイへ。
レジャーも、リバーサイドホテル・ナンハイへ。

貪れる快楽を味わい尽くした男女には、それ以上のレジャーなんて思いつかないのに。
チェックインなら寝顔を見せるだけでよかったのに。

夜の長さを何度も味わえる。
そんなビールを彼は作ってくれた。
夢中になって、味わった。
天井の鏡、ピンクのシャンパン。彼のビール。

いつまでたっても、私はあの人の囚人。自ら囚われた。
きっと、それを自覚するために、このホテルに来たのかもしれない。

”あなたはいつだって、好きなときにチェック・アウトできます。でも絶対にでられないですよ”
人工合成音声の支配人が、レセプシオン(受付)でそう語る。
わかっているのよ。
私の夜は、いつまでたっても終わってくれないの。
狂子は、レセプシオンで提供された、人工忽布製のビールを口にし、そう呟いた。