Derailleur Brew Works

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BEER

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クリムゾンガールインザヘヴン

ローストモルトの香ばしさ漂う、ベルジャンスタイル。
ペールエールのボディとキレをバランスよく持つビールです。
ベルジャンペールエール
原材料:麦芽/ホップ/アイリッシュモス
ABV:5.0 IBU:25 SRM:8

¥3,600 ~ ¥14,400

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『あなたの忽布をみています。あなたのファンより』
アヤの醸造舞台が始まろうしていた。わずかばかりの緊張は、
赤紫のバラの人がくれたこの手紙がくれる勇気で、乗り越えられる気がしていた。


マダムムーンシャドウには、手に取るようにわかる。
千の忽布仮面を持っていると彼女自身が認めた少女アヤ。

アヤは忽布のようにもろくこわれやすい仮面を被って演技している。
どんなにみごとすばらしい演技をしているつもりでも
どうにかすればすぐにこわれて素顔がのぞく
この忽布の仮面を被り続け、女優となる。

いつも手紙と赤紫のバラを届けてくれる、わたしのはじめてのファン。
あなたがきっと観ている、それだけでがんばれそうです、赤紫のバラのひと。

かつて、一世を風靡した醸造演出家、カール・ラインハルト・ホフピンスキ。
彼の代表作の生醸造舞台『クリムゾンガール・イン・ザ・ヘブン(邦題:天国の紅少女)』で主役を演じ、大女優と謳われたマダム・ムーンシャドウ。
彼女も今は芸能界を引退し、エリア2470(ニシナリ)で静かな生活を送っていた。
ニシナリ随一の芸能事務所、NHG(ニシナリ忽布芸能社)の社長令息・タカヤマは、
『クリムゾンガール・イン・ザ・ヘブン』の上演権を持つマダム・ムーンシャドウから上演許可を得て、
女優”カズミ・シンカワ”主演で『クリムゾンガール・イン・ザ・ヘブン』の上演を目論むが、
ムーンシャドウは、『クリムゾンガール・イン・ザ・ヘブン』の主演は、自分もしくは自分が育てた女優と忽布を用いてしか演じることはできないと言い、
彼らの申し出を拒絶する。
そして、10年待って自分が育てた女優と忽布が大成しなければ、醸造舞台権を譲ると言い放つのだった。

そんな矢先、ムーンシャドウは、エリア2470の貧しい家庭で育った少女、アヤ・エジマと出会う。
アヤは一見「何の取り柄もない」平凡な少女だった。
しかし、一度見た芝居や映画のセリフや役者の動作を正確に記憶するという特技、一度呑んだビールの成分分析、また本能的に役を理解し、役に憑かれたかの如く演じるという、底知れぬ才能があった。
そんなアヤの資質をムーンシャドウは見抜き、アヤもまた、次第に醸造舞台の面白さに目覚めていく。
そして、醸造舞台を本格的に勉強しようと、アヤは「劇団センテニアル」の入団試験を受けに行く。
授業料の高さに入団を諦めたマヤだったが、ふとしたことから、パントマイム醸造の試験を受けることになる。
そこに居合わせたカズミ・シンカワの娘、マナミ・シンカワは、アヤの演技に衝撃を受ける。
父は有名映画監督、母は大女優という両親の一粒種であるマナミは、美貌と才能と卓越した演技力で、芸能界においてサラブレッドと謳われており、
それまで脅威を感じる相手に出会ったことはなかった。

ムーンシャドウはやがて後継者育成のために「劇団ムーンシャドウ」を旗揚げする。
醸造女優を目指すために家出をしたアヤは、ムーンシャドウのもとで醸造の勉強を始める。

一方、タカヤマは『クリムゾンガール・イン・ザ・ヘブン』の上演権を手に入れるべく、劇団ムーンシャドウを潰そうと画策する。
しかしどんな嫌がらせにもめげず、ひたむきに醸造舞台に打ち込むアヤの姿に、タカヤマは次第に心魅かれていく。
どうかしてるぞタカヤマ。相手は10いくつも年下の少女だぞ。おれともあろう者が・・・。
タカヤマは自分を制しようと試みるが、おチビちゃんと揶揄していたはずのアヤの存在感の大きさに、ただ素直になるしかなかった。

タカヤマはあしながおじさんのように匿名でマヤを支え、醸造舞台のたびに、赤紫のバラと手紙を届け、思いを伝えるのだった。
アヤもまだ見ぬ庇護者「赤紫のバラの人」に対して感謝と親愛の情を募らせていた。

『あなたの忽布をみています。あなたのファンより』
クリムゾンガール・イン・ザ・ヘブンの主演を決定する醸造舞台が始まろうしていた。
醸造演目の発表を前に、忽布と役に憑かれたかのようなアヤ。
マナミとの実力差は、審査員の評価を聞くまでもなかった。

おそろしい(忽布の)子・・・。

ムーンシャドウは、三重苦のヘレン・ケラーを演じながら醸造を行う、舞台の上のアヤを見て、
そう呟きながらも、どこか表情には安堵が漂っていた。
そして観客席の端で気づかれないように、佇む彼に向かって、語りかけるのだった。

タカヤマさん、いつまでも信号は赤ではありませんわよ。