Derailleur Brew Works

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BEER

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Transporter initial D

程よい苦味とほのかなホップの香りに、麦芽の甘味と香ばしさに柔らかな口当たりの、バランスの取れた飲みやすいビールです。
イングリッシュIPA
原材料:麦芽/ホップ/レモン果汁
ABV:7.5 IBU:60 SRM:9

¥3,780 ~ ¥15,120

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泥棒市(スティールマーケット・ボール・ラン)で闇売買されていた、
天然忽布を手に入れたエミリー。
忽布集団(ホップヘッズ)の目を掻い潜り、
運び出す手段に手を拱いていた。

彼女に声をかけたのは、運び屋(トランスポーター)を自称する、”D"という男だった。
グラスの中のビールを溢すようじゃ、運び屋なんてできないのさ。
Dの操る、エルカミーノ69年式。
計器盤面にグラスを置いて、制限撤廃された蒸気装置に、
Dの右脚が、直接接続(ダイレクトドライブ)する。
一万一千回転までキッチリ回せ!!
忽布集団の索敵照明が、長い線のように伸びていった。

エミリーは手を拱いていた。
ホフピンスキと政府がひた隠しにしていた天然忽布。
2-10郭の放電爆発を人工的に誘発するためには、
α値の高い天然忽布を十分量、醸造融合炉に投入することで可能。
そこまでは突き止めたのだ。
Fatboyzに所属しているエリヨが、天然忽布を忽布集団より奪取。
敢えて闇市場に投入し、時間差でエミリーが、
AREA2470最大の泥棒市(スティールマーケット・ボール・ラン)にて闇買取を行う。
そこまではスムーズだったのに。
泥棒市の至るところに、私服の忽布集団が配置されていた。
このままでは、抵抗勢力(レジスタンス)まで運ぶことができない。

ひゅーっ。今日の任務(オーダー)はツイてるね。
俺を呼んだのは、この美人さんかい?

テンガロンハットの無精髭、20年ほど前には大活躍だったであろう
拡張視界画面(ARグラス)をセットした男が、
エミリーの前で煙草をくゆらしていた。

D!!

先導(アテンド)をお願いしていたフリアールが吃驚した声をあげる。
運搬も、その口と同じぐらい上手だったらいいんだけど!

呆れたように声を零すエミリー。

疑うも信じるも、考えるだけの時間はなかった。異変を察知した忽布集団が数名こちらに走ってくるのが見える。

乗りな!俺と天国までのドライブを楽しもうぜ。
Dの操る、エルカミーノ69年式に乗ることにする。

計器盤面にグラスを置いて、Dは胸ポケットから取り出した瓶から、
なみなみとビールを注いでいく。

こいつを溢さねえように、走っていくのさ。紳士だからな。
豆腐だって壊しやしねえぜ。

制限撤廃された蒸気装置に、Dが自らの右脚を、直接接続(ダイレクトドライブ)する。
1万1000回転までキッチリ回すぜ!
エルカミーノまであと数メートルにまで接近していた忽布集団が、
砂埃とともに後退りし、
その隙に、Dは車を走らせる。
まずは脱出が成功したのだ。

忽布集団の索敵照明がエルカミーノを捉えようと速度を上げる。
残像が長い線のように伸びていく。

綺麗だな。エミリーは呟いてしまう。

エミリーさんよ

Dが煙草を咥えながら、話しかける。
禁煙なんですけど、この車。
フリアールが不満そうに呟く。

運び屋って稼業はさ、負けずギライなやつが多いんでサ。
出来ねえとは言いたくないし、言わねえ。
たとえ命を失うようなコトになろうともな。

誰も返事をしない、が、おかまいなくDは続ける。

だがな、他人は別だ。命を失うようなコトを
進んでやるようなら、俺はそいつを止めるぜ。
エミリーさんよ

あんた、自分の命と引き換えにするつもりじゃないのかい?

エミリーは、無言で。窓から流れる景色を見ていた。

変わってねーよな。こっから見る夜景は。
AREA2470はすごい勢いで変わっていくのにな・・・
俺達はずっと、この街にいて・・・
どこも変わってねーよ。昔と・・・。
あんたがビールを醸していた、あの頃からよ。

心地よい蒸気排気の振動音を響かせながら
エルカミーノは夜の静寂に消えていった。