Derailleur Brew Works

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BEER

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闇のパープルキャッツアイ

セゾンの酵母を使用し、スパークリング白ワインのような風味と、
ハイアルコールながら飲みやすい魅惑的な一品です。
ビエル・ド・マルス
原材料:麦芽/ホップ/アイリッシュモス
ABV:7.0 IBU:30 SRM:11

¥3,960 ~ ¥15,840

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甘いメロディが、風に乗れば、
秘密めいた、二人の扉が、どこかで開くはず。


ニシナリ旧ハギノチャヤ地区、iReen10-9(アイリーントック)。
このエリアは、あの放電爆発以来、purple haze(紫色の霧に包まれる夜)
がやってくる。気まぐれで、何度も、何度も。

ユイ・ユカ・ユマのKazama三姉妹は、両親を2‐10郭(ツーテンカク・タワー)の放電爆発で亡くしたあと、
この都会iReen10-9に残された麦酒店『紫苑猫目(パープル・キャッツアイ』を切り盛りしていた。
両親とも、NINJAの末裔だってユマには嘯いていたけど、ユイはそんなことは子供だましの嘘だって気づいていた。
知らないふりをするのは、優しさのつもりだったけど、
告知(カムアウト)の機会を逃すことになるなんて思わなかった。
それだけは、ユイの心残りと少しの誤算。
ユカはだからか、あの爆発のあと、Syu:re/Kane(手裏剣) の刺青を、
鼠径部に入れていた。

気立ての良い三姉妹が切り盛りする『紫苑猫目』は、いつも客で賑わっていて。
毎日昼休みには、ウツミが愚痴を沢山と、代わりに『丸栖(マルス)』と呼ばれている
白葡萄酒のような風味の麦酒を毎度注文(オーダー)でやってきていた。

ウツミはユイの幼馴染で、五年前から恋人だそうだ。
だけどもキスすら許されていないそうで。
恋愛が公平な条件下で行われる契約なのだとしたら、
それは不当な契約で、不履行されても仕方がないと思うのだが、
ウツミはユイに会いに毎日訪れて、ユイはウツミの愚痴をただただ聞いてあげるのだった。
今日もそんな一日で。終わるはずだったのに。

『紫苑猫目』のブラウン管は定時の政府報道を流していて。
伝説の忽布『ヤマトガワの雫』がニシナリに到着したと、ブラウン管の向こう側で説明していた。
九里虎城(グリコサイン)特設会場で展示されることになっていたのだが。
謎の女怪盗集団パープルキャッツが、『今回も』盗難予告を各報道機関、並びに忽布警察にした模様で。
さも興奮した口調で、説明が続いていた。

ウツミはユイと恋愛の契約を締結し始めた時は、
ニューヨーク市警察本部忽布捜査課の若手の有望株だったそうだ。
本人談だからどこまであてにしていいのかはわからない。

だが、相棒が私立探偵に身を窶した事になんらかの責任を感じ、
そして納得のいかないまま、辞令が下り、現在はパープルキャッツの捜査班に配属されていた。

だから今回も九里虎城(グリコサイン)特設会場に張り付くのですよ、僕は。

ウツミがブラウン管を見つめながら語る。
パープルキャッツに、どこか心を奪われている自分がいる。
忽布ばかりを盗み、その他の財宝には目もくれない。
まるで、気づいているような動きなんだ。
何かを隠しているはずの、政府に。かつての相棒、アーロンもそうだったから。

ユイの目がいつになく緊張がさしたのに気がつたいのか、
ウツミはいつものおどけた口調に戻り。

ま、左遷された僕がいっても説得力がないですけどねえ。

だけど、捕まえるのは僕の手で、そしてそのまま僕だけに教えてほしいんですよね。
忽布ばかりを盗み、その他の財宝には目もくれない、その理由を。
そうひとりごちるやいなや、昼休みが終わるらしく、
急いで会計を済まし、ウツミは『紫苑猫目』から去った。

ユイ・ユカ・ユマこそがこの都会(まち)をざわつかせている『パープルキャッツ』の正体であった。
父デイブ、母ナオコが一子相伝で密かに育て続けた天然忽布。
政府がその存在を直隠しにし続け、装飾品扱いで市場に出ないように統制している。
三姉妹は何故かが知りたい。そして父と母の形見をもう一度取り戻したい。
そのために、こんな泥棒稼業を続けているのだ。
愛する人に、ウツミには気づかれないように。
いや、こんなことを終えさせてくれるのは、ウツミしかいないようにも思う。

ユイは、ウツミのベッドルームにある鏡(ミラー)に、
口紅を取り出し、書き殴る。
都会(まち)が煌めくpurple hazeの日の夜、
Delta Parkで待っているわ from Puprle Cats.

このPurple haze、あと五分もしたら晴れてしまう。
そのときは、月明かりの下で、私を捕まえて。
パープルキャッツは、とうとうあなたの心を盗めなかった。
あなたは刑事を捨てられないし、あたしは忽布泥棒。そんな言葉のメロディが、風に乗れば。
秘密めいた、二人の扉がどこかで開く音がする。