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新世界ニューロマンサー #014

お待たせしました、大阪名物ミックスジュースをイメージしたスムージーなIPA!
バナナとカスタードクリームをふんだんに使い、芳醇な甘みととろみでミルク感を再現。
さらに白桃果汁がわずかな酸味を奏で、まるでミックスジュースを飲んでいるかのような感覚になるビールです。
アルコール度数は7%、ホップの苦味もしっかりあるのでガッツリ飲みたい方にもおすすめです。
(Brewer:シムモー)

Mix Juiced IPA
原材料:麦芽・ホップ・黄桃・バナナ・カスタードクリーム
ABV:7 IBU:52 SRM:5
JAN:4571500520047
賞味期限:24.11
※要冷蔵の商品です。冷蔵庫での保管をお願いいたします。

¥4,380

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デイブ・ナオコ・ハートランドに捧げる
そしてわたしは、いまも夢を見ているのだ、
忽布神のおぼろな影が、
わたしの歓びのうたを穿いてゆき、
露に濡れた枝木から溢れる光に照らされてゆくその先を。 ‐‐‐『しあわせな忽布農の歌』  イエイツ

エミリー・スコットは、数十年ぶりのニシナリの人混みを押し分けて、
隣接するエリア『シン・世界』の《チャット》のドアに入り込んだ。

彼女が見上げた2‐10郭(ツーテンカク・タワー)は何時まで経っても
放電を続けたままで。突き刺す空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった。 「もし、万が一。万が一だが、天然物の忽布(ノン・レプリカント・ホップ)ってものがあるんだったら」
《スプロール》調の声、《スプロール》調の立体光波(ホログラム)がバーカウンターの向こうから
エミリーに声をかける。
神経接続(コネクト)せず、直接にだ。この時代では珍しい。

カウンターの隣では、禁制品のホルモン誘因(トリガー)の取引を話し合っていた。
エミリーは《スプロール》調の声の持ち主が、差し出したビールに口をつけ、
カウンターに凭れながら、静かに目を閉じる。 「人造忽布大欠乏症になったみたいな、おれの体には、刺激が強すぎるだろうなあ。」
「嗅覚神経接続が、天然物の忽布に驚愕してやがる。電気海月に刺された気分だ」
《スプロール》調の冗談だ。ここ《歩日ARCA(アルカ・アルカ)》は筋金入り国外居住者用のバーで。
だからここで一週間飲み続けても、日本語はふた言と耳にしない。

隣の取引に夢中な男たちの話だから、本当かどうかはわからない。
ただ、神経接続せずダイレクトに嗅覚と味覚を刺激する甘美なビールは、
噂通り、人造忽布(レプリカント・ホップ)全盛のこの時代では貴重、そして違法(イリーガル)な、
天然物の忽布(ノン・レプリカント・ホップ)で作られているのかもしれない。

ほんの数十年前。
わたしが、この街でビールを造っているときには、当たり前だったホップ。
今や法を犯す都市伝説の存在になっていたなんて。
エミリーは軽く目眩を覚える。ビールに含まれるアルコール成分のせいなのか。
時間の流れに寂しさを覚えたせいなのか。彼女自身にも判断(ジャッジメント)がつきかねていた。 「イエローピーチとミルク。あとはノン・レプリカント・ホップ。あんたのケツのようなプリップリのイエローピーチだろう」
カウンターの端でグラスを抱えている少女。操作卓(コンソール)を経由してエミリーの共感覚幻想に直接語りかけてきた。

わざわざご丁寧な解説、感謝するわ。
30年前なら、一夜限りの恋に誘われているのか、勘違いするところね。
共感覚での返事は好きではない。エミリーは口を少し歪め、没入(ジャックイン)する。

少女はフードを被ったまま、表情を悟らせることなく、頷く。
エミリーは、甘美ながらも刺激が強めのビールを飲み干し、
筋金入り国外居住者用のバーから退散することにした。
少し酔ったのか、エミリーは、自分の汗の据えた匂いを嗅ぐ。

バーを出て、2-10郭(ツーテンカク・タワー)を改めて見上げる。
そろそろ、決着をつけないと。
エミリーは自分にそう言い聞かせ、電磁ピストバイクに跨がろうとした。

エミリーの前に、さっきの少女が立っていた。14秒前には誰もいなかったのに。
彼女は少女に語りかける。
特注電脳空間デッキに私の意識を没入(ジャックイン)させたのね。あなた。
だけど、目上の人と話をしたいのなら、顔を見せなさい。
それが礼儀というものよ。

少女は頷き、だがその提案には答えず、矢継ぎ早に呟いた。
「もうこれ以上、大事な人を失いたくないの。自分。」
「あなたには、まだ生きていてほしい」
「このレイルは、死にゆく運命のレイル。あなたには乗ってほしくない。」 「レイルは誰かが敷いたものじゃない。」
「いつだって、自分でレイルを選んできたわ。もし間違ったレイルなら、そこから降りればいいだけよ」
エミリーは静かに微笑んで、最後に一言付け足した。 「今年最後の花火(ファイアクラッカー)を見に来ただけよ。安心なさい。」
ニューイマミヤ駅に、南海電磁鐵道(ナンハイ・レイルウェイ)の電磁蒸気列車が停車したのか。
ブレーキ用の逆噴射蒸気(バックスチーム)がけたたましく、二人の会話を割っていった。

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お待たせしました、大阪名物ミックスジュースをイメージしたスムージーなIPA!
バナナとカスタードクリームをふんだんに使い、芳醇な甘みととろみでミルク感を再現。
さらに白桃果汁がわずかな酸味を奏で、まるでミックスジュースを飲んでいるかのような感覚になるビールです。
アルコール度数は7%、ホップの苦味もしっかりあるのでガッツリ飲みたい方にもおすすめです。
(Brewer:シムモー)